依頼。ある寺院がカフェを開くにあたり、提供する茶と提供方法の設計を任されました。チームに、飲食業の経験者はいませんでした。
前提。mirumeの店では、湯の温度を計ります。それが味を再現する作法だからです。しかし飲食未経験のチームに「温度計で計り、適温まで待つ」という工程を渡せば、忙しい時間帯に必ず崩れます。
設計。使う茶器が決まっていたことを逆手に取りました。95℃設定のポットからその茶器に湯を注ぐと何℃に落ち着くか。それを実測し、人ではなく器に温度を計らせました。そのうえで茶葉側も、その温度で苦くなりにくいものを選びました。淹れ方に、茶を合わせたのです。計量は0.1g単位で計れるスケールを指定し、淹れ方は紙にまとめて渡しました。誰が淹れても同じ味になることを、道具と紙に担わせる設計です。
開業後。納品して終わりにはしていません。営業中の店に何度も伺い、現場でオペレーションを直しました。たとえば茶葉の保管。お客様から見える場所に置くなら茶缶。見えない場所で保管するなら、保存性の高いアルミ袋。同じ「保管」でも、置かれる場所で答えは変わります。
私たちのベストが、取引先のベストだとは限りません。mirumeのやり方を移植するのではなく、mirumeの判断だけを持ち込んで、その現場に合う別の解を作ります。